ノスタルジックな寝台列車の旅行

きっかけは時間と経費の節約

学生時代に、東北地方の最北端から、山陰地方へ旅行することを思いつきました。けれど、大きな問題として立ちはだかったのは距離。延々と本州の北日本側を西へと向かいます。さらに、学生でしたから、ふんだんな宿泊費や交通費はありません。

そこで思いついたのが、寝台列車による移動です。ホテルに泊まる必要がありませんし、長い移動時間も寝て過ごせばいいのです。早速、情報を集めたところ、寝台列車の席には等級があり、簡易なカーテンがついただけのベッドなら格安であることがわかりました。これなら大幅に節約することができると思いましたので、すぐに予約をしました。

子守唄のようなレールの音

生まれて初めて乗った寝台列車は、簡素でしたがノスタルジックにあふれていました。出発したのは夕方。車窓がだんだん暗くなり、心細く感じながらも、旅行の実感があふれてきました。行き過ぎる町にはネオンが灯り、家々の窓からも光があふれています。あの中で、一日の仕事を終えた人たちが食卓を囲んでいるのだろうな。そう思うと、一人きりで寝台列車に乗っていることが、誇らしくも寂しく感じられました。

目的地の島根はまだまだ遠く、頃合いを見て眠りに就くことにしました。緊張して眠れないのではないかと心配していましたが、ゴトンゴトン、規則的なレールの音は心地よく、朝までぐっすり熟睡することができました。